西三河東尾張を”元気”にするエリア情報マガジン
t wang 2002/9

シルバーエイジの間でカリスマ的存在?!
「ホームページ作成の達人」に迫る
「ホームページ作成の達人として、シルバーエイジの間で評判になっている人が豊田にいる」。
65歳の読者からこんな推薦メールが届き、個人サイト「還暦QPONホームページ」の管理人である宮本幸雄さんを取材した。 若い読者の方々にも、やがて直面する定年後の楽しみについて、この方から何かを感じてもらいたい。

 トップページを見ただけで、この方がいかにホームページ作成を楽しんでいるかがわかる。
新着ページ紹介の欄に掲載されたラインナップは「波打つアップレットのパノラマスライドショー」「孔雀サボテンのスローモーション(ワイプ)開花」「マウスで鳥を鳴かせる裏技」などなど。
本物さながらに動く生物の画像を披露して見る人に感動を与えつつ、独学で習得したホームページ作成術の数々も、惜しみなく公開してくれているのだ。

 ビギナーにはたまらない発見と驚きがつまった「還暦QPONホームページ」。
このホームページの作者が、現在64歳、定年退職して今年で3年目という豊田市在住の宮本幸雄さんである。

 「やってて楽しいと思うから、いろんな技にチャレンジできます。
あくまでおじいさんの趣味の範疇でね」という宮本さんがこのサイトを立ち上げたのは6年前。
もともと20年前から大手企業の生産管理部門でパソコンは使い、プログラム作成の経験もあり、まだネット普及率が低かった当時でも抵抗なくウェブの世界に入り込むことができた。
「インターネット作成関連の本を見て、コツコツと作りました。
最初は家族の写真を掲載した程度ですよ」。
それが徐々に、かつて碁や麻雀などのゲームを作って社内の「遊びのプログラムコンテスト」で優勝した経験もある宮本さんの、遊び心を満載したサイトへと進化していく。

自宅の裏山にやってくるウグイス、ヒヨドリ、チョウなどの生物の静止画をJava Scriptで動画同様の画像にしたり、近くに流れる逢妻川の風景を360度のパノラマ展望にするなど、自然環境を題材にした“技ありコンテンツ”が続々と誕生。
そして98年、その画像のリアルさが評価され、自慢のサイトは専門誌「YAHOO! JAPAN」のベストウェブガイドで取り上げられた。
同誌編集員の評価は最高の五つ星だった。
このあたりから、ご自身も登録していたリンク集「シニアリーグ」など
を通し、宮本さんはシニア・シルバーエイジの人たちの間でカリスマ的な存在となった。
 現在、1日に入ってくるメールは約40?50通。
その大半が「○○○○を作るにはどうすればいいのでしょうか」といった相談事だそうだ。
それに応えながら、自らのスキルも高めるという理想的な循環ができあがっている。
今ではデジカメやビデオ持参で、自宅近辺を散歩することもほぼ日課になっているようだ。
「逢妻川の堤防に咲いている花は、約280種類もあるんです。
こんなに咲いているとは知りませんでした。
自宅の裏山もそう。
目を凝らして地面を見ると、1m四方の中に虫が何匹もいる。
これもホームページを始めてわかったことです。
自分の世界が格段に広がりました」。
また、インターネットを通して日に日に仲間が増えていくのもうれしい。
「たとえば山登りの趣味の人が、山を登った後の感想を発信する。
そんな気軽な気持ちで、多くの人にホームページを始めてもらいたいですね」と宮本さんはアピールする。

 雑誌の編集長には、なりたくても簡単にはなれない。
だけどインターネットなら誰もが“編集長”になれる。
自己表現による充実感。
これを手軽に得られて、見る人に何らかの影響も与えることができるホームページ作成は、究極の趣味ともいえるだろう。
60歳を過ぎて輝く宮本さんの生き方を、手本にしてみるのもいい。


「10数年前、日経コンピュータの編集長と話したとき“もうすぐホストコンピュータなどいらなくなるよ!”といわれ、会社の組織内が大改革されることは想像していましたが、インターネットで家庭までそうなるとは想像しませんでした」と話す宮本さん。
自宅に自作のパソコンを3台保有し、東京在住の息子さんのホームページで孫の成長を日々眺め、お子さんにSEもいるのという、まさにパソコン一家だ

「新着紹介」「QPON家」「ホームページ作成」「仕事」「地域」など7つのカテゴリーで展開。
アクセス数は月1万件ほど