土手のジョギング№29・土手のジョギングと野の花と
墨田川のウオーキング③
  
菜の花の土手 彼岸花の土手のジョギング① 
墨田稲荷神社獅子山・阿像・昭和七年(1932年) ()無断転載
 県境の村の花と木土手の野の花一覧 

緊急事態宣言が解除されたこともあり家人が日暮里の繊維街で手芸用品を買うというので、それならと、昨日ジョギングをした土手続きの隅田川の散策に出かけて見る事にしました。隅田川の水面と墨堤の桜とスカイツリーを一度に楽しめる場所です。それにこの辺りは地元の方が多くそれ程人出が多くない事もあります。

隅田川の風景を見ながら久し振りに、江戸の物語に登場する隅田川七福神の一つ、多門寺とその近くの墨田稲荷神社を詣でる事にしました。共に街の中にある温かみのある場所です。勿論何処も人混みする事はありませんでした。2021.03.22

京成電車で京成・日暮里駅から5つ目の京成関屋駅で降ります。隅田川は目の前です。個人的には隅田川の幾つかの美しい風景の一つだと思っている汐入大橋にやって来ました。例年の海までのジョギングの折の恒例である墨堤通りの交差点のセブンイレブンでアイスクリームを買い込みました。

同行の家人は、初めて目にする隅田川が大きく蛇行する鐘ヶ淵の広い水面と聳え立つスカイツリーの組み合わせに感嘆していました。

私達は汐入大橋からの景色を堪能しながら左岸から右岸へと渡りました。右岸に見える汐入公園で昼食をとることにしました。2021.03.22

近隣の家族ずれの人達が遊んでいる静かな公園です、早咲きの桜は既に散り出していました。ソメイヨシノと思われる桜が満開です。

桜の木の下に新聞紙を敷いて座ります。晴天の下、何処からもスカイツリーが眼前に聳えています。馴染んだ土手のジョギングでは常に彼方に遠望する小さなスカイツリーが、今はほぼ目の前にそそり立つ風景を前にする満足感に包まれながらのんびりと昼ご飯を楽しみました。2021.03.22

白い花の桜の花房の先にスカイツリー、汐入大橋から、水神橋、白髭橋、桜橋と三つの橋まで下るとスカイツリーが見上げるようにそそり立っていますが、今日は水神橋を右岸から左岸に渡る事にします。江戸時代には隅田村と呼ばれた場所を歩く事にします。2021.03.22

昼食後、水神橋を渡ります。久し振りに歩く水神橋はすっかり綺麗になっていました。橋から見る隅田川の川面とそそり立つスカイツリーが見ものです。2021.03.22

橋を渡ると墨堤通りとの交差点に出ます、通りがかった高校生の人に道を確認すると直進すると東武伊勢崎線の鐘ヶ淵駅にでると教えてくれました。

隅田川の川岸には高層の大きな団地らしき建物が林立していました。江戸の物語が霧散するような無機質な風景が広がっていました。道端のハナモモと思われる赤い花もただ花を咲かせただけの何処か手持ち無沙汰な風情に見えます。2021.03.22

隅田稲荷神社
隅田稲荷神社住所: 東京都墨田区墨田4丁目38?13。水神橋を左岸に渡り真っすぐ進むと墨堤通りと道が交差します、更に真っすぐ鐘ヶ淵通りを進みます。2021.03.22

人の暮らしが濃密に漂うレトロな雰囲気の商店が立ち並ぶ鐘ヶ淵通りを歩いて行くと東武伊勢崎線の鐘ヶ淵駅が左に有ります、踏切を渡りました。更に進んでセブンイレブンの角を左に曲がります。突き当りの路地を左折、床屋さんの角を右折と進むと密集する人家の中に満開の桜と鳥居が見えました。2021.03.22

 

見上げる桜の花が、広がる晴天の青空の中に鮮やかな彩を見せてくれています。2021.03.22

 

街の中に鎮座する神社ですが境内はひっそりと静まり返っていました。氏子の人々の暮らしと共にある温かみを感じる佇まいにほっとしました。拝殿に進んで参拝をさせて貰うことにします。2021.03.22
拝殿に進むんで行くと参道の両脇に迫力のある獅子山が置かれていました。見たい気持ちを押さえて先ずお参りをさせて貰うことにします。2021.03.22

 

日暮里繊維街での探し物が買えた事のお礼と隅田川の散策が楽しい思い出を創ってくれる事を祈りました。2021.03.22

落ち着きのある拝殿に進んで頭を垂れ、柏手を打ってお参りをしました。参拝を済ませてからゆっくりと狛犬を見させてもらう事にします。2021.03.22

墨田稲荷神社・狛犬 昭和9年(1934年)

右に置かれた阿像の獅子山、石組も極めて高く石の組み合わせも独創的です。狛犬の大きさは普通ですが彫が流石江戸の職人らしいと外連味のないスッキリした姿の狛犬に出会えて大喜びです。

獅子山が高いために狛犬の細部が見にくい上に、強い太陽光線が差し込むために私の腕では狛犬をハッキリと写せませんでした。素晴らしい獅子山を目にして直ぐに浅草・吾妻橋際の牛嶋神社の文政十年(丁亥)1827年の狛犬を思い出しました。2021.03.22

 

ニコンの小型デジカメ・クールピックスW300を目一杯上に掲げて阿像を写してみました。隅田川沿いの石工の人達の作る狛犬をしばしば目にしますが、やはりと思う粋な造りに見えました。2021.03.22
阿像を少し横から写してみました。彫がそれ程精緻と言う訳ではなさそうですが、無駄のないスッキリした彫りを感じました。2021.03.22
逆光が降り注ぐ左の吽像から阿像を写してみました、やはり吽像は黒い塊にしか写りませんでした。獅子山の見事な石組が見て取れます。2021.03.22
左に置かれた吽像の獅山、贅肉がそぎ落とされた躍動する姿が見事です。獅子山の石組も色、形に極めて変化に富んでいて見飽きません。2021.03.22
吽像は阿像の姿と対照的です。見上げると目が私を射すくめるように感じました。それでもどこか表情にも混ざりけのない透明感の漂う様子を感じました。やはり江戸の狛犬だと思いました。逆光が後ろから差し込む私には最悪の状況です。何とか顔が分かるまで調整しました。2021.03.22

てっきり江戸時代の狛犬と思っていましたが”昭和9年”の文字が彫られていて信じられない感じです。”庭師 奥(藤?)田は八五郎” ”号 香園 作”の彫りと”x田x五郎”らしい彫が獅子山に刻まれていました。素人の推測ですが獅子山の石組を庭師の”奥田(推測) 八五郎・号 香園”が昭和9年(1934年)に造った事を表しているのではないかと思いました。狛犬も同じ年に奉納されたが石工の人の名前を彫らなかったか見つからなかったかだと推定しました(違っている可能性も大きいと思います)。2021.03.22

 

カラスノエンドウ

参拝を終えて道の先を見ると土手が見えました。荒川放水路の下流部です。次の目的地である多門寺に土手道を進んで見る事にしました。

昨日ジョギングする隅田川上流部の土手で見つけたカラスノエンドウが下流の土手でも咲いていました。2021.03.22

かなりの群落を作っていますが、未だ多くの蕾が見られます。瑞々しいカラスノエンドウが見られました。2021.03.22

広大な荒川放水路の土手に座って一休み、見上げる空を鳶らしき野鳥が青空を滑空していきました。その先にはスカイツリーが見えます。広大な風景が更に広がりました。

持参のポットのお茶を飲みながら、先程日暮里駅前で買い込んだケーキを食べました。

土手を上流部に暫く進み、通りがかった地元の方に多門寺への道を尋ねると東武伊勢崎線の線路が有って横断が出来ないと教えてくれました。仕方なく再度戻って土手を下ります。土手を下りて狭い道を右往左往しながら進むと先程通過した鐘ヶ淵駅に出ました。

駅前の交番で多門寺への道を教えて貰います。2021.03.22

 
多門寺
多門寺住所:墨田区墨田5丁目31?13。交番で聞いた道もいざ辿ってみるとかなり難しく何とか方向を間違わないように進んでいると途中から電信柱に隅田川七福神の案内板が出てきて一安心です。以前訪れた折の記憶がよみがえってきました。2021.03.22

多門寺は私の愛読する佐伯泰英の江戸の物語・”吉原裏同心”にしばしば登場する場所でもあります。江戸時代から続く最も古い隅田川の七福神巡りの一つでもあります。

小説の中では蔵前の札差・伊勢亀半右衛門が最後の時を過ごす地として又死後にいたり葬られる寺として登場する場所でもあります。前回隅田川七福神でこの多門寺を訪ねたのは2008年の事でした、信じられない程の時間が過ぎている事になります。空に聳えるスカイツリーの完成が2012年2月の事です。2008年のこの地には穏やかな一次元の風景が広がっていました。スカイツリーの出現で2次元の風景となり、更にアサヒビールの珍奇なオブジェなどの3次元の風景が広がっているように見えます。2021.03.22

本堂の前に隅田川七福神の案内図が置かれていたので一枚頂戴して備え付けのスタンプを押しました。2021.03.22
優し気な佇まいを醸し出している多門寺の茅葺屋根の山門、前回訪ねた折も印象に残る建物の一つでした。今回も肩肘張らずに出迎えてくれました。2021.03.22
江戸時代に作られた山門との説明が記載されています。前回訪ねた折にも訪れる者に威圧感を与えない好ましい山門の印象が残っていました。2021.03.22
今日の旅の終わりの本堂で手を手を合わせてお祈りをさせて貰いました。日暮里での買い物がきっかけとなった隅田川の散策は大きな充足感を与えてくれました。2021.03.22
2021.03.22

何気なく扁額を見上げていると驚く事に神社で見られる木鼻狛犬が刻まれていました。神仏習合と言われる祈りの形態から生まれた木彫かもしれません。

木彫の彫りはかなり仕上がり具合が良好で大きなものに見えました。右に置かれた阿像と思われる木鼻狛犬には象も添えられていました。2021.03.22

木鼻狛犬に挟まれた中央部には龍が彫り込まれています、神社でしばしば目にする意匠と同じ様式です。2021.03.22
左の木鼻狛犬は口の開き具合から吽像ではと推測しています。状態も大変綺麗な木鼻狛犬に出会って大満足です。2021.03.22
木鼻狛犬を見た後、後を振り替えてってみました。本堂の前から茅葺屋根の山門を写しています。京成関屋駅から墨田稲荷神社等に立寄りながらの歩行距離は約4.2kmになりました。多門寺からは曲がりくねった道を歩いて墨堤通りにでます、京成関屋駅までは更に1.2km程になります。日暮里繊維街での買い物でも1.5km程は有り来ましたので、合計6~7km程を歩いたことになります。2021.03.22

帰りの電車は未だ帰宅時間には早いせいか混雑が見られず座る事が出来ました。毎年恒例の春の中仙道から海までのジョギングの練習には大変役立つ予行演習になりました。ぎっくり腰の回復にもよりますが桜の花の散る前には実行したいものだと思いました。2021.03.22

03/31/2021
 

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Copyright (C) Oct. 10,2007 Oozora.All Right Reserved. 03/31/2021 更新   ()転載